「フェーズには必ずそれが受け持つ要素成果物があって、」
「失礼(汗)、 フェーズには必ずそれが受け持つ成果物があって、・・・」
PMP試験対策セミナーの間、何度となく、こうした言い直しを余儀なくされました。
てか、単なる自分のポカなんですけどね。
ほとんどの受講生は、なんで言い直したのかさえ分からないので、スルーしたっていいんですが、根が真面目なので。
PMBOK®ガイド5版対応のPMP試験対策講座を提供してからすでに1年近くも経っています。
ところが、和訳だけの変更というのは、今年に入ってからリリースされたPMBOK®ガイド5版の日本語版を見て初めて知ったわけです。
なのでちょっとまだ慣れてなかったんですね。
いや、慣れというのは恐ろしくてね、染み付いたものを変えるのは簡単ではありません。
冒頭の言い間違いは何かというと、PMBOK®ガイド第4版までの”要素成果物”という重要用語が、第5版では無くなったことから起きたことです。
無くなったというか、"要素"という接頭語が外れて、”成果物”に変わった、ただそれだけなんですが。
元々、”要素成果物”というのは、原文の”deliverables”の意訳であったわけですが、おそらくそれは、”product” と区別したかったんだと思います。
”product” を最終的な全体成果物、”deliverables”は中間的な成果物や、付帯資料なんかも包含したもの、なんとなく、そういう風に位置づけたんだと思います。
ただ、PMBOK®ガイドの英単語の使われた方に、そうしたニュアンスを感じたとしても、明確な意味の区別がPMBOK®ガイドに記されていたわけではありませんから、はたして本当に原文にそういう意図があるのかどうかも良く分からないわけです。
もしかすると、日本人だけがPMBOK用語に対して違った認識、偏見を持ってたかもしれないわけですよ。
おおげさに言えばね。(笑)
なので、今回、"deliverables"を、素直に”成果物”と訳を改めたのはいいことだと思います。
じゃあ、”product”はどうなったのかというと、こちらは、”成果物”改め、”プロダクト” というカナ表記になっていました。
苦心の跡が見受けれますね。
PMBOK®ガイド5版における、この手の和訳の変更は、他にもいくつか見受けられます。
これ、改定履歴として一覧にして出すべきだと思うんですけどねー。
単なる言い回しだけならいざ知らず、用語の和訳の変更ですから。
PMBOK®ガイドを標準書と称するのであれば。
ちょっと愚痴っぽくなってしまいました。
いや、結構、テキストや問題集にあたりが多くてね。
PMBOK®ガイド5版で新たに登場した用語の訳し方が、弊社の和訳と違うというのは予想していたし、当てるスリルも楽しんでいたんですが、すでに馴染んでいる和訳の変更というのは想定外でしたので。
ええ、ええ、もちろん全部直しましたよ。
さて、PMBOK®ガイド5版の、こうした和訳の変更は、1点の差で天国と地獄に分かれるPMP受験生にとっては気になるところかも知れません。
でもね、原文が変わっていないんですから、極東での翻訳のし方なんか何も気にしない出題者が作る世界共通のPMP試験に影響するはずがありません。
実際、和訳の変更なんてまったく意識していなかった、というか意識できなかった昨年の夏以降の弊社の受講生の多くが、もうすでに合格していますから。
つまり、相変わらず4版時代の和訳(*)で勉強した人が5版の試験に合格しているということです。
(*)相変わらず4版時代の和訳:
もちろん、元はPMBOK®ガイド5版(英語)です。
公式日本語訳のリリースを待たずに、弊社独自に和訳したものです。
原文に変更がなければ、和訳も4版に従ったという意味。
影響を受けるのは、冒頭で示したように、昔が忘れられない私たちレクチャーする立場の人間ですね。(苦笑)
あと、4版でかなり勉強したんだけれども実らずに、5版で捲土重来を期す受験生。
そういう人は、設問の選択肢の中に、”受入れ済み成果物” を見つけて、
「それ、”受入れ済み要素成果物” やろ! 選ばんとこ。」
なんて、即行で回答から外してしまわないようにしてくださいね。
そもそもPMP試験は、そんな重箱の隅をつつくような試験ではありませんから。
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コメント
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