これは、PMP資格者に対するPMI会員数の割合です。
日本の低さが際立っています。
世界的には、PMP10人に対して、7、8人がPMI会員なのに対して、日本は、PMP10人に対して、PMI会員は2人にも満たないわけです。
もっとも、PMP資格はPMI会員でなくても取得・維持できますから、未入会であることに特に不都合はありません。
にしても、なぜこんなにも差があるのかというと、その原因は、一つは言葉の壁だと思います。
会員限定のサイトや会報やメルマガがあるんですが、基本、すべて英語ですから、ストレスなく、これらに目を通すことのできる人は、PMPといえども、そんなに多くはないでしょう。
ま、プロジェクトマネジメントに関する世の動きなんてのは、そんなに激しいものでもありませんし、格調高い論文と、白い歯を見せて微笑んでいる執筆者の写真に、価値を見出せないってのが大きいんでしょうけど。
ですから、後述する金銭的なメリットを理由に一旦は入会はするものの、2年目の更新をせずに退会する人がほとんど。
受講生からも、ちょくちょく、入会した方がいいかどうか聞かれますが、PMIのサイトに書いてあるようなことを、そのまま言ってもしかたないので、
「積極的に交流を図るつもりなら別だけど、『入会すると何かいいことがあるかも』、と思ってPMI会員になっても何もないよ。」
などと答えています。
実際、PMI主催のセミナーのほとんどは非会員でも参加できますし、参加料や書籍代が少々安くなると言われてもねぇ。
入会して、「積極的に交流を図る」、というのは、つまり、PMIの部会や、研究会に参加するということです。
これらのグループは、PMBOKや、プロジェクトマネジメントに関する研鑽の成果を内外に発信しています。
スキルアップもさることながら、仕事を離れて、他の会社の人と交流するのも楽しいんじゃないでしょうか。
会社でそれなりの役職の方もいらっしゃって、仕事につながった話も聞きますし。
(ただし、これはあくまで副次的なレア・ケースで、これを目的にするのはやめといた方がいいです。)
こうした活動に積極的に参加しようと思う方は試しにPMIに入会してみるといいです。
PMIへの入会は誰でもできます。
(日本支部の部会や研究会に参加するには、PMI本部会員だけではなく、プラス日本支部にも入る必要があります。
また、会によっては、PMP資格者限定というものもあります。)
試しに入会といっても、入会金と年会費は必要です。
ただ、先に挙げたような書籍等の割引の他にも会員特典があって、多くの会員の入会の理由にもなっています。
先ほど、PMI会員になっても特にいいことはない、なんて言ったのは、入会初年度に会員特典を享受した後の2年目以降の継続の話です。
特にPMP受験生にとって、入会初年度(*)のお得感は大きく、入会しない理由が見当たらないくらいです。
(*)入会初年度:
入会初年度というのは、入会した日から翌年の同月末日まで。だから会員の更新月は人によって違います。
PMP受験生に入会を薦める3つの理由
会員特典のうち、金銭的なメリットが大きいのは以下の3つ。
- PMBOK®ガイドのPDF版が手に入る。
- PMP受験料が割引き。
- PDU(*)が取得できる。
1. PMBOK®ガイドのPDF版が手に入る。
PMBOK®ガイド5版の公式日本語訳は、定価ベースで9,000円近くしますが、このPDF版が会費に含まれています。
つまりタダ。
しかも、PDF版は非売品で、PMI会員にしか手に入りません。
しかも、欲しけりゃ原文(英語版)のPDFもタダで入手できます。
PMIへの入会手続きは、入会金と年会費のカード決裁で即完了(*)ですから、amazonでの欠品が相次いでいる昨今、急いでPMBOK®ガイドを入手しなきゃいけない人にも便利。
(*)入会手続き後すぐに会員番号は付与されるのですが、正式な登録まで2、3営業日ほどかかる場合もあって、ここで紹介している3っつの特典が利用可能になるのはそれからとなります。
PDF版のメリットは言うまでもありませんが、PCやiPadで読めますし、検索機能なんかも、受験生にとってはうれしい機能です。
私は、PMBOK®ガイドの英語版をKindleに入れてるんですが、辞書機能を使いながら読むことができて、ちょっとした英語の勉強にもなります。
文章のコピペは出来ませんが印刷はできます。
数百ページを全部印刷するのは大変っちゃ、大変ですが、必要なページだけを印刷して持ち出すなんていう芸当は書籍ではできません。
2. PMP受験料割り引き。
PMI会員の受験料は一般に比べて150ドル安くなります。
ということは、PMP受験生は、この特典だけでも、入会金と年会費(*)の元がとれてお釣りがくることになります。
(*)入会金と年会費
PMI入会金: 10ドル
PMI年会費:129ドル
----------------------------------
合計 139ドル
(日本支部にも入会する場合は年会費にプラス50ドル。部会に参加するには必要)
つまり、1.と3.の特典が、丸々黒字になるということです。
しかも、不幸にも落ちてしまった場合、再受験の際は100ドルの割引が受けられるわけですから、PMPの受験生に対しては、
「なんでPMIに入会しないの?」
と聞きたいくらい。
3. PDU(*)が取得できる。
PMP合格後のことになりますが、PMI本部のサイトには会員限定の無料のEラーンニング教材が、PDU(*)付きで提供されています。
PMI会員は、ざっと30近くのPDU(*)がタダで取得できるわけです。
PMI本部が提供するものなので、すべて英語なんですが、PDU(*)の取得には単に視聴というか、教材の識別コードを申請するだけでOK。
この記事は、PMP受験者に対するPMI入会の勧めですが、すでにPMPの方でも、この特典だけで入会金と年会費はペイできると思います。
(*)PDU:
PMP資格は3年ごとの更新ですが、その更新に必要なポイントの単位。
Professional Development Units の略でPMI独特のもの。
プロジェクトマネジメント実務など様々な活動がポイントになりますが、
教育トレーニングの受講でポイントを取得する場合、1時間=1PDU。
※ PDUはPMP受験資格にはなりません。
正確にいうとPMP等の有資格者以外は公式な取得(=PMIの承認)そのものが不可能です。
まとめると、PMI入会初年度のコストメリットを最大限生かそうと思えば、
PMI入会
↓
PMBOK®ガイドをダウンロード(特典1) ⇒ 勉強
↓
PMP受験(特典2) ⇒ PMP合格
↓
Eラーニング受講&PDU申請(特典3)
となります。
2年目以降はPMI会費を支払わなければ自動退会になるだけ。
退会しても、それまでに申請し、承認されたPDUや、PMP資格の継続になんら影響はありません。
ちなみに、紹介した3つの特典は、日本支部会員にならなくても、PMI本部会員だけですべて受けられます。
日本支部会員でないとPMBOK®ガイド日本語版はダウンロードできないなんてことはありません。
1PDUのトレーニングの相場価格や、為替レートなんかで、正確なコストメリットは算出はできませんが、PMI会員になると、ならないとでは、この初年度だけで、少なく見積もっても数万円は違ってくるはずです。
PMP受験生でもPMI未入会の人が少なくないのは、おそらくPMP受験料などが会社持ちだからでしょうねぇ。
加えて、民間団体の個人会費を会社に請求するってのも、なんか説明が面倒くさそうだし。
あと、高給取りが多いから。
か?
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