PMPという資格は取って終わりじゃなく、3年ごとに更新が必要です。
ただ、ソフトウェアベンダー資格みたいに、PMBOK®ガイド4版から5版にバージョンが上がったらといって再試験が必要なんてことはありませんし、PMP資格が区別されることもありません。
PMPの更新に求められるのは、3年間にPMPとしてのスキル維持のための活動をやったということ。
私はといえば、セミナーのスピーカーが申告に使えますし、あとは、PMI会員向けの無料のEラーニング教材で資格要件をクリアしています。
なので、過去3回の更新とも労せずしてPMP更新要件を満たしてきたんですが、人によってはPMP資格の維持にお金がかかると誤解されている向きもあって、実際どうなの? と、ちょっとまじめに調べてみました。
目的は、
金をかけずにPMP更新要件を満たす。 これです。
PMPを目指す人にとっても知っておいた方がいいことを書いていますので、是非最後まで読んでください。
活動実績は、PDU(Professional Development Units)というPMI 独特の単位で測ります。
PMI 自身、「学習の場合、1PDUは1時間に対応することを明確にした。」 と言っているわけで、じゃぁ最初からPDUなんかじゃなくて時間で表現すれば良さそうですが、
お仕事なんかは半年で15PDUなんていうルールがあるわけです。
その活動は、WEBで自己申告すればいいだけなんですが、申告内容はPMIにチェックされて、場合によっては申告内容を裏付けるエビデンスを求められたりします。
PMP更新要件に認められる活動は一応決められていて、大きく2分類、小さく6つに分類されています。
以前は18分類もあって、読む気すら起きなかったんですが、2011年に大幅に簡略化されました。
これを見てて、まず注目したのは、カテゴリーCの自習という項目。
改正前も、この項目はあるにはあったんですが、要件や、提出するエビデンスが厳しくてね。
実際に使う人はあんまりいませんでした。
このカテゴリーCの中身を見ていくと、目に留まったのが、
reading book
ん?
ど、読書?
求められるエビデンスはというと、日付などを含む自習記録。
万一、監査に当たっても簡単に提出できそうです。
で、半信半疑でやってみました。
読書のPDU申請はいたって簡単。
活動内容にカテゴリーCを選んで、reading bookと記入して、書籍名とPDUを入れるだけ。
選んだの本は、ご存知 「7つの習慣」 和訳版。
The 7 Habits of Highly Effective People(Japanese translation)
PDU(=時間)は、どうしましょう。
500ページ近くあるので、1分1ページとすると、500分、割る60分で、約8PDU。
えぇーい、10PDU!
じっくり読んだことにしよう。(汗)
我ながら、盛(も)り過ぎたかなと思いつつ、SUBMIT。
なんか言われたら、そんときゃそんとき、減らせばいいし。
で、待つことしばし
:
キター!
Your PDU claim has been submitted
っと、これは受付の自動応答。
その後、結果が届いたのは20時間後。
Your PDU claim has been approved
PDU申請は承認されましたとさ。
一旦承認されれば、もうこのPDUについてはエビデンスを求められることはありません。
なんか、あまりにあっさりし過ぎて拍子抜けしました。
10PDUが、こんな簡単にとれるなんて・・
私も次回の更新は、Eラーニングじゃなくて、これにしようと思いました。
だって、PMI会員向けのEラーニングは無料とはいえ、1本、1時間程度なので、10PDUだと、10回申請しないといけないので。
いやー、でも、これって、PMP向けの教材や、研修を売っている会社にとって気持ちは複雑ですよ。
以前は、PMP資格者にとって、PDUがもらえるんだったら、コンテンツは二の次という側面も無きにしも非ずだったんです。
1PDUあたりの単価がどれだけ安いかが、唯一の選択基準だったりしてね。
でも、読書でPDUが取れるんなら、もう、有料の研修や教材に頼る必要はありません。
”PDU付き” というのは、プロモーション上、なんらアドバンテージにならないということです。(自戒)
ま、PDUというおまけなんかに頼るのではなく、教材や研修はコンテンツ勝負という本来の姿になっただけなんですが。
本は選ぼう
さすがに、日本人が書いた国内のみで流通する本は避けた方がいいかと。
なぜかというと、PMIでチェックしているから。
たとえばPMI会員向けのEラーニングの場合、PDUの申請から承認まではほとんど時間はかかりません。
明らかにコンピュータが処理してしています。
それに対して、今回私が行った自己学習のPDU申請は、時差を考慮すると、1日はPMIに留まっているからです。
どの本じゃなくちゃダメなんていうルールはどこにもないんですが、チェックするアメリカ人が、その本の存在すら確認できなかったら、普通はそのまま承認しないでしょ。
エビデンスを出せ、なんてことにもなりかねません。
なので、ここは当然、チェックする人に配慮した米国で流通している書籍の和訳版を選ぶべきでしょうね。
分野?
んなもん、10の知識エリア(PMBOK®ガイドの体系)のどれにも該当しない本を探す方が難しいでしょ。
たとえば、ドラッガーとかの本とかだったら何も文句ないんじゃないでしょうか。
自己学習の上限は30PDUまで
読書だけで、PMP更新要件の60PDU全部とれるといいんですけど、30PDUまでです。
残り30PDUは、別のカテゴリで申請しなくてはいけません。
これは次のエントリで書こうと思います。
PDUはPMP試験の受験資格ではない。
これも、PMP受験生に多い間違いなんですが、
例えば、
「1日欠席しても受験資格のPDUは発行して頂けるんでしょうか?」
なんて聞かれたりするんですが、PMP試験の受験資格であるプロジェクトマネジメント公式教育の単位は時間です。
hourです。
それも実施元の証明証が必要です。
困ったことに、WEBで公開されている教材や、研修会社の広告なんかにも、いまだに、
”PMP受験資格となるPDUが取得できます”
なんて謳ってあるんですが・・
いや、単に言葉尻を捉えてるんじゃなくてね、
PDUは、PMP以外の人が取得しても何の価値もありません。(ここ重要)
正確に言うと、PMP等のPMI資格を持っていない人は、公式なPDU取得(PMIによる承認)そのものが不可能です。
例えば自己学習なんてのはPDUは稼げても、PMP受験資格にはなりませんので。
ご注意を。
35時間のPMP受験資格なら、例えば以下なんかはいかがでしょう?(笑)
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