PMBOKガイドがリリースされてはや9ヶ月、日本語版の発売が待たれていましたが、アマゾンの発売がまた延期されました。
直前(10月1日の時点では10月2日がお届け予定日)にPMIからアマゾンに連絡があったようです。
取引先からの最新情報により、ご予約いただいている下記の商品の発売日が変更されたことがわかりました。
それに伴いご注文の発送予定日が変更となりましたことをあらかじめお知らせいたします。
Project Management Institute "A Guide to the Project Management
Body of Knowledge: Official Japanese Translation"
現在のお届け予定日は11月1日となっています。
翻訳作業が遅れているのか、その後の手続きに手間取っているのか、伺い知ることはできません。
ちなみにPMIのサイト(米国)に掲載されているドラフト版は依然として2009年6月バージョンのままで、まだフルバージョンではありませんね。
んー、この様子だと11月の発刊も危ういかな。。。
発刊元のPMIは今となっては世界の冠たるプロジェクト・マネジメントの団体なんですけどね。
紺屋の白袴(*)にならぬようにがんばっていただきたいものです。
(*)紺屋の白袴:染めもの屋の紺屋が、人のものばかりを染めて、自分のものに手がまわらずに、白い袴をはいていること。
類義語として「医者の不養生」などがある。
ということで、10月のPMP対策講座はPMBOKガイドを参照しながら行う予定でしたが、このような状況ですので、従来どおり弊社テキストを中心に解説します。
(テキストはPMBOK第4版の内容がリファインされていまして、PMBOKガイドがなくても学習できるようになっています。受講生はPMBOKガイド第4版の正規の購入予定者であることが前提ですが)
「小さな挿し木はするな」
フレデリック・P・ブルックス Jr.(「人月の神話」より)
実はPMBOKガイド第4版の日本語訳のリリースが延期されたのはこれが初めてではありません。
当初のPMI公式発表は2009年第2四半期、つまり6月末でした。
プロジェクトにおける納期の延期は、他の制約(スコープ、品質、リスク)のベースラインを確保するための、つまり、プロジェクトを成功に導くための是正処置の一つです。
(え?納期が遅れたらプロジェクトの成功とは言わんだろ。 なんて思った方はPMBOKを勉強する価値があります)
もちろん、非常に大きな変更であることには間違いなく、延期される納期は、現実的かつ確実に守れるものに慎重に設定されないといけません。
「また」なんてことはあってはいけないわけです。
交渉し、伸ばせるだけ伸ばし、品質などの他の制約に対して、期待を数段上回るものにするぐらいの心づもりでなくてはなりません。
でもね、口でいうほど簡単ではないんです。
合意形成もさることながら、要求すること自体がです。
納期延期を申し出る状況としては例外なくPMは非常に立場が悪い。
そのため、申し出る延期の幅をなるべく小さくしようとするんですが、
PMの考え方としては、まったく逆です。
後になれば分るんですが、プロジェクトにおいて、納期を守れたか、遅延したか、この差は非常に大きいです。
しかし、一旦延期となった場合、その延期の幅の大きさは、文字通り差ほどでないことが多い。
1週間であろうが、一ヶ月であろうが延期は延期。
気のやさしいPMは、これが分らずに無理をして墓穴を掘ります。
そして今回のようにステークホルダーに更に迷惑をかけ、周りの評価は
「何度も納期が延期されたプロジェクト」
となってしまうということです。
これが、「小さな挿し木はするな」よということなんです。
よくいるでしょ、
遅刻のとき、5分では絶対着かないくせに、ついつい少なめに
「すみませーん、5分ほど遅れます」
なんて言っちゃう人。 いい人なんですけどねー。
ちなみに「小さな挿し木はするな」は「人月の神話」の中で著者本人ではなくP.ファッグというエンジニアの言葉として紹介されてます。
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