生産マネジメントゲーム研修を実施しました。
今年の生産マネジメントゲームはこれが最後。
クライアントは某大手製造業。
同じ会社で前回やったときは、本年上期のまだ生産調整が進む頃でしたので受講生も多かったのですが、最近になって急に忙しくなったとかで前回よりも受講生が少し減りました。
ま、いいでしょう。
企業の設備投資は景気の先行指標ですが、今回のクライアントのように、その設備の構成部品を供給する会社は、さらに早く動き出す必要があります。
その企業が操業度を上げたわけです。なんていい情報なんでしょう。
ほくそ笑んでいたら担当者が一言。
「すべて中国向けです。」
「・・・」
さて、生産マネジメントゲーム。
特に生産活動におけるお金の流れにフォーカスして、在庫管理、資材調達、人員管理、設備保全など工場での管理行動がどう原価に影響を与えるかを体感できるようになっています。
一チームを一つの工場と見立てて、需要数への対応能力と製品原価の低さを工場間で競います。
工場ごとに異なるトラブルが発生するようにもなっています。
適度にゲーム性も持たせてあるので、いい大人が楽しそうにやるわけですが、単に面白かったで終わったのではしょうがありません。
インストラクターとしては、計画の稚拙さや改善ポイントに気づかせてあげる必要があるわけです。
企業研修における、いわゆる気づきを与えるというやつ。
ゲームの状況を観察しながら、その都度適切なコメントを考えるのは結構大変です。
1日目がレクチャーで、2日目がゲーム。
1日目のレクチャーの内容は原価計算が主体なんですが、今回は相手がプロということもあって内容をアレンジしました。
生産管理マンに今さら簿記でもないでしょうしね。
で、マクドナルドの地域価格とプリウスの納期を題材にさせてもらいました。
原価管理という一見地味な仕事が経営戦略にも通じる様は受講生にとっても新鮮だったようです。
こちらから質問していくと生産管理のプロでも答えに窮しますね。
ま、それが目的でもあるのですけど。
レクチャー部分もそうですし、ゲームも難易度調整が利くようになってまして、今回のようにプロのような方から、入り口は新入社員、さらに学生さんにも可能です。
1月29日(金)に都内で無料の体験会を開催しますのでご興味を持たれたご担当の方はどうぞ。
・・ PMBOKと結び付けないと終われませんでした。
当然ながらプロジェクトも原価計算とは切っても切れません。(とってつけたみたいに)
PMBOKでの取扱いはコストマネジメントの章ですね。
しかし、工場で扱う量産製品における原価計算が「総合」+「標準」であるのに対して、プロジェクトは「個別」+「実際」が主ですからその論点は少々異なります。
というよりも、あまり混み入った話は専門領域という位置づけなのでPMBOKの範疇からは外れるわけで。
PMBOKのコストマネジメントでは、バッファの取り方とか、リスクとの関係とか、コストマネジメントを行う上で関係する制約条件とかが主たる論点で、何よりEVM(アーンド・バリュー・マネジメント)が主役です。
【プロジェクト・コスト・マネジメント】
PMBOKにおける9つ10個の知識エリアの一つ。
「コスト見積」、「予算設定」、「コストコントロール」の3つのマネジメント・プロセスで構成される。
EVMなどは理解さえすれば答えを間違うことはないわけで、PMP試験対策から見れば得点源になり易いエリアとも言えます。
ただ、リアルのプロジェクトではネイティブのEVMを使うことは非常にまれです。
実務でのEVMとのギャップは押さえておく必要があるでしょう。
原価計算なんかにしてもそうなんですが、実務家の方(ほう)が間違ってしまうという奇妙な設問はPMP試験の名物でもあります。
原価計算から見ると、PMBOK、ないしはPMP試験では、間接費を科目で決め打ちしたり、引当金名目を製造原価に含めたり、その主張は、かなり大雑把、というか乱暴、というか説明不足。
なので、むしろ過去にキチンと原価計算や簿記を勉強された方は注意してください。
(講座にいらしてください。笑)
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